当院は婦人科腫瘍専門医が4名在籍し(2020年4月現在)、専門的な見地から、婦人科がん(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、外陰がん等)、を幅広く診療し、数多くの症例を診療しております。当科ではこれらのがんに対し、手術、化学療法、放射線療法などを組み合わせたエビデンスに基づく最良の集学的治療を受けることが可能です。また、多くの臨床試験や治験にも参加しており、先進的で新しい治療を受けることが可能です。
※当科は婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)の登録施設です。
婦人科がんの治療は放射線治療科、外科、泌尿器科、形成外科、病理診断科・病理部、精神科、緩和ケアチーム、遺伝診療科、がんゲノム診断科等との集学的・包括的診療体制をとっています。横浜市大附属病院は、がん診療連携拠点病院として、病院全体としても「質の高いがん医療」を提供することを目指しています。
治療内容については、十分な説明と理解のもとに多職種医療スタッフと共に協力した治療を行う方針です。ご病状や治療内容について患者さんとご家族にきちんと理解していただけるように努めており、精神的な支援も含め、十分なフォローが行われるように診療いたします。
がんの包括的診療体制のなかで、緩和医療体制の教育機関としての役割を担っています。緩和ケアチーム、精神科、がん相談支援センター、入退院支援センターなどと共同診療体制をとり、精神的な面や生活療養環境面なども含め、患者さんやご家族の不安を解決していくための体制が整っています。
遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)、リンチ症候群などの診断や治療を行っています。当院の遺伝診療科と連携し、遺伝カウンセリングや検査を受けることができます。また、2020年4月からは、HBOCの方で乳がんや卵巣・卵管がんを発症している方に対して、リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)が保険適用となり、当科でも手術が可能です。
がん治療は臓器別、がん種別の治療から臓器・がん種横断的な治療が進んできています。これからは個別化治療が進んでいきます。標準治療を行っても効果が十分でない場合に、がんゲノム検査(がんクリニカルシークエンス検査)を受け、患者さんのがんに合った治療を探すことができるようになっています。(今の段階では、がんゲノム検査で効く可能性のある薬剤が見つかるのは約10%程度です。)
がんゲノム検査について詳しく知りたい方は当院ゲノム診療科ホームページを参照ください。
無月経、月経不順、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫、骨盤臓器脱などの女性特有の健康障害・症状に対する総合的診療を行っています。低用量エストロゲン・プロゲステロン療法(LEP療法;いわゆる低用量ピル)、黄体ホルモン療法、GnRHアナログを用いた偽閉経療法、レボノルゲストレル徐放型子宮内避妊システム(LNG-IUD)などの内分泌療法から、手術療法の具体的な相談まで行っています。子宮筋腫や卵巣嚢腫などの良性疾患への手術は、体への負担の少ない腹腔鏡手術を積極的に進めています。
また、小児期、思春期に対するホルモン補充療法や心のケアも行います。対象は小児期から中高年にいたるすべての年齢層です。手術により閉経前に卵巣摘出された症例、子宮内膜症、不妊症などの診療も含まれますが不妊治療はセンター病院(生殖医療センター)にて行います。
また、中高年(更年期)以降の女性を対象とし、骨粗鬆症、高脂血症(脂質異常症)等の治療を、食事・生活指導を取り入れながら個々の病状にあわせて対応しています。骨密度検査や骨代謝マーカー等の検査を行い、専門的な骨粗鬆症治療やホルモン補充療法を行っています。
当科でも積極的に腹腔鏡下手術・子宮鏡下手術を行っています。なるべく創を小さくして体の負担を減らすため、患者さんの退院後の痛みも少なく、より早く普段の生活に戻る事ができています。
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医が3名在籍(2021年4月現在)しており日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設となっています。
緊急手術にも24時間365日対応できる体制となっています。
子宮筋腫、卵巣のう腫、子宮内膜症に対する腹腔鏡下手術以外にも、以下の高難度腹腔鏡下手術を提供しています。
・子宮体がんに対する腹腔鏡下子宮全摘術(±骨盤リンパ節郭清)
・子宮頸がんに対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術
※日本産科婦人科学会 腹腔鏡下広汎子宮全摘出術登録施設
・骨盤臓器脱に対する、腹腔鏡下仙骨腟固定術
さらにロボット支援下(ダヴィンチシステム)での子宮頸がんや子宮体がん根治術も保険適用の範囲において推進しています。骨盤リンパ節郭清や傍大動脈リンパ節郭清もロボット支援下手術の実績が増えています。
正常分娩を中心に、中等度の救急・合併症症例などの症例にも対応します。夫立会い分娩も可能であり、分娩室はLDR(陣痛から分娩、産褥まで居室のなかで分娩できる部屋)に対応しています。
分娩管理の基本方針は自然分娩ですが、十分な説明・理解のもとに医学的適応により、 必要な産科的検査、処置、治療が随時おこなわれております。
また母乳保育基本とし、24時間母児同室制を取り入れています。
2008年8月、当院はWHO、ユニセフから「赤ちゃんにやさしい病院」(BHF)に認定され、母乳中心に母と子の自然のふれあいを大切にした取りくみをしています。
無痛分娩(硬膜外麻酔分娩)をおこなっています。産科医・麻酔科医・助産師が産科麻酔チームとして連携をとり、安全な無痛分娩をおこなえるような体制を構築しています。
遺伝カウンセリング、遺伝子検査/解析、遺伝診療(全般)の窓口として、また、臨床遺伝専門医の研修施設として2002年4月1日に発足、2019年4月1日より診療科となりました。
遺伝や先天性の病気に関するお悩みやご心配はありませんか?専門資格のある医師および遺伝カウンセラーが丁寧に時間をかけて対応いたします(予約制)。
当施設は、IRUD(未診断疾患イニシアチブ)診療拠点病院、妊娠と薬センター神奈川県拠点病院、JOHBOC(日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構)連携病院です。
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